脳の病気まるわかり

– 穿頭術 –

 

穿頭術について

 

穿頭術は、脳神経外科領域の全ての手術の基本となる術式です。

 

頭蓋骨に1円玉程度の小さな穴を開ける術式です。

 

主な使用例としては、
慢性硬膜下血腫に対する血腫除去術
脳室-腹腔シャント手術
・内視鏡による手術(第三脳室底開窓、血腫除去、生検など)
・定位的手術(レクセルフレームや駒井式フレームによる生検、深部電極埋め込みなど)
などが挙げられます。

 

 

穿頭器2
穿頭器

 

 

実際の手術では、図のような道具を用います。先端は取り換えられるようになっていて、左の二つは最初に使うもので、右の二つは後から使います。目的や大人か子供かによって大きさが2種類あります。左手(利き手でない側)で支えつつ、右手(利き手)でぐるぐる回して用います。

 

左のものでまず中央の一部が頭蓋骨を貫通して硬膜の一部が見えるまで到達します。次いで、右のもので仕上げをして完全にくり抜きます。左のものは頭蓋骨を貫く可能性があり危険ですが、右のものは安全に作られています。施設によっては仕上げにもう一種類の先端器具を用いることもあります。

 

 

手術の流れ

 

通常、局所麻酔で行います(シャント手術や小児の場合などには全身麻酔でします)。

 

穿頭部位の皮膚を約3cm切開し、頭蓋骨を露出させます。止血を行ってから、穿頭器で頭蓋骨に穴を開けます。硬膜が完全に露出されたら、硬膜を凝固してから十字に切開します。そうすると頭蓋内に到達しますので、あとは目的の操作に移ります。ここまでは10~15分もあればできる操作です。

 

目的の操作を終えたら閉創に移ります。通常、切開した硬膜はそのままです。頭蓋骨の穴(burr hole; バーホール)にはバーホールキャップと呼ばれるものを入れることもあります。筋層や皮膚を縫い合わせて手術を終了します。

 

 

脳神経外科の基本手術

 

この術式は脳神経外科の基本手術です。脳神経外科医としての道を歩み始めた医師が最初にさせてもらう手術になります。10年も経験すれば誰でもベテランです。逆に、経験豊富な術者ほど難しい手術ばかり行うようになるので、だんだんと自分ですることは少なくなります。

 

穿頭器は古代から行われていて、古い頭蓋骨に穴が開いているものが発見されることがあります。その歴史についてはwikipediaなどにも出ていますので、興味ある方はどうぞ調べてみて下さい。