脳の病気まるわかり

– 脳神経外科術中支援システム –

 

術中ナビゲーションシステム

 

手術中に、専用のアンテナとプローブを用いて脳の操作している場所がMRIやCT画像上のどの部位に当たるのかを確認するための装置です。

術前に、患者さんの頭部に専用のアンテナを動かないように固定します。そして、ナビゲーションシステムに位置情報を読み込み、登録します。この操作により、患者さんの実際の頭部と患者さんのMRI画像上の位置が一致するようになります。

手術中には、脳の操作中の任意の位置にプローブを当てると、そこがMRI画像上のどの位置に当たるのかを機器が指し示してくれます。

 

術中ナビゲーションシステムは、脳神経外科のさまざまな種類の手術に用いられ、現在では欠かすことのできないツールになっています。

 

 

術中神経モニタリング

 

脳神経外科の手術では、様々な種類の脳神経障害が生じる可能性があります。生じえる障害は、脳の中の病変のある部位や手術アプローチによって異なります。

 

一次運動野や錐体路(皮質脊髄路;運動線維の通り道)の障害では手足の運動麻痺が、一次感覚野や視床、脊髄皮質路の障害では感覚障害が生じえます。言語野の障害では言語機能の障害が、視覚野や視覚路(視神経、視交叉、視索、視放線)の障害では視力・視野障害が生じます。その他、脳神経や脳神経核の障害では、障害された脳神経の種類により嗅覚低下、複視(ものが二重にみえる)、顔面の運動機能や感覚機能の障害、聴力低下、嚥下の障害、発声障害、舌の運動障害、味覚の障害、ふらつき、めまい、意識障害などが生じます。

 

通常の手術では、手術中には全身麻酔が掛って患者さんは深い眠りにあるので、手術中にこうした障害が生じたかどうかについて知ることができません。

 

術中神経モニタリングでは、こうした障害を全身麻酔下の手術中に把握できるようにします。

 

術中神経モニタリングの方法は、見たい脳機能によって異なります。手足の運動機能の把握には運動誘発電位が、感覚機能の把握には体性感覚誘発電位が、視覚の把握には視覚誘発電位が、聴力の把握には聴性脳幹反応が、顔面や眼球、舌の運動機能の把握には各神経の誘発電位モニタリングが用いられます。

 

こうした手法は、脳や末梢神経に微量の電流を流すことにより脳や神経を刺激して反応を見るという、同じ原理に基づいています。この手法を”電気生理学的モニタリング”と呼びます。

 

手術中には把握しづらい機能や把握できない機能もあります.局所・全般の脳機能は脳波のモニタリングで何となく把握できるかもしれません。言語機能の把握には電気生理学的モニタリングではなく、覚醒下手術が用いられます。ふらつき・めまい・小脳機能はモニタリングできません。

 

 

術中CT・術中MRI

 

(只今準備中)

 

 

術中蛍光造影検査

 

(只今準備中)

 

現在、主に使われている術中傾向造影診断には2種類あります。

 

1つは、脳血流の確認に用いられるもので、主にICG(インドシアニングリーン)を用います。手術中に、ICGを静脈内に注射すると、数十秒で全身の血管に回ります。それを、特殊なフィルターを通して観察すると、血液が流れている部分だけが光り、観察することができます。この方法は、主に脳動脈瘤に対するクリッピング術やもやもや病に対する血管吻合術の際に用いられます。脳動脈瘤では、動脈瘤にクリップを掛けた後に、動脈瘤内部の血流が完全に消失しているか、そして周辺の正常血管の血流が保たれているかを確認します。もやもや病では、血管吻合後に吻合した血管の血流が通っているかどうかを確認します。その他、様々な手術の術中に、血流が保たれているかどうかを確認する目的で、様々な局面で用いられます。

 

もう一つは、5-ALA(5-アミノレブリン酸)という方法です。この方法では、脳腫瘍(グリオーマ)の手術前に、患者さんに5-ALAを内服してもらいます。術中に400nmの青色可視光を脳腫瘍とその周辺の脳に当て、専用のフィルターを用いて観察すると、脳腫瘍が赤く光って見えます。基本的には、グリオーマのうち、Grade 3か4の悪性度の高い腫瘍しか光りません。この方法は、腫瘍の位置の確認のほか、悪性度の高い腫瘍かどうかの確認にもなります。また、最も重要なのはある程度腫瘍を摘出した後に、肉眼的にわかりづらいような残存腫瘍の有無を確認する上で有力な方法になります。