脳の病気まるわかり

近赤外線分光法(NIRS)

 

近赤外線分光法とは

 

近赤外線分光法は、英語でnear infrared spectroscopyと呼び、略してNIRS(ニルス)とも呼ばれます。別名として、光トポグラフィとも呼ばれます。

 

この機器は、局所の脳血流の増加を捉えるものです。つまり、脳の局所的な神経活動が生じると、その部分の血流が局所的に増加します。

 

赤外線は、可視光よりも波長の長い光です。近赤外光は、赤外線の中でも可視光に近い帯域の光です。頭皮や頭蓋骨を通過しやすい光です。近赤外光を照射すると、脳組織を通過する間に血管内のヘモグロビンで吸収されます。反射して帰ってくる光の量を持続的に測定すると、大脳皮質のヘモグロビン濃度の変化を測定することが出来ます。

 

酸素の結合したヘモグロビン(オキシヘモグロビン)の検出には波長780nmの赤外線を、酸素の結合していないヘモグロビン(デオキシヘモグロビン)の検出には波長820nmの赤外線を用います。

 

 

NIRSの特徴・用途

 

NIRSの長所は、機器が移動可能であり、患者の頭部を固定する必要もなく、患者が動いてもいいという点にあります。一方、欠点としては空間分解能があまり高くない点、脳の深部の情報は得られない点、血流の定量的な評価が出来ない点などが挙げられます。

 

頭部に多数のプローベを装着して記録することで、言語機能や運動機能のマッピングてんかんの発作焦点の同定などに有用な情報が得られます。

 

NIRSがないと診断できないというものではありませんが、診断の補助的な機器として、一部の施設で臨床応用され、また一部の施設では主に研究用として用いられています。