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潜在性二分脊椎(脊髄脂肪腫など)

 

潜在性二分脊椎とは

 

潜在性二分脊椎は胎生期(胎児のころ;生まれる前)に体の基本的なかたちが形成される時期に生じる異常で、外肺葉が皮膚と神経系組織に分離する“神経管閉鎖”の際の分離がうまくいかないことが原因で発生します。

 

動物の細胞は、内胚葉、中胚葉、外胚葉の3種類に由来しています。神経組織と皮膚はいずれも外胚葉に由来する細胞です。

 

開放性二分脊椎である脊髄髄膜瘤と異なり、背中の皮膚の閉鎖は進むのですが、深部で一部の分離がうまくいかず、脊椎は椎弓を形成でいずに分離したままとなり、その間を通って皮下脂肪が脊柱管の内部、脊髄硬膜の内部に留まり、神経の一部と連続した状態になってしまいます。問題の本質はここにあり、神経と皮下組織とがくっついていることが脊髄機能の障害(脊髄係留症候群)に繋がります。

 

男児より女児に2倍多く、腰~骨盤のあたりでの発生頻度が高いものです。

 

外表の皮膚に異常がみられることはしばしばありますが、脊髄髄膜瘤を代表とする顕在性二分脊椎とは異なり、皮膚に大きな嚢胞や皮膚欠損は認めません。

 

顕在性二分脊椎とは異なり、出生直後から神経症状を認めることは少なく、水頭症やキアリ奇形も認められません。しかし、脊髄が皮下組織と繋がっていて、成長とともに脊髄神経が強く引っ張られるようになる(脊髄係留)ため、年齢とともに神経症状を生じる患者さんが増えてしまいます。

 

主な症状としては、排便や排尿に関わる機能障害や、下肢の運動や感覚の障害です。神経症状がいったん出現すれば、治療を行っても開封困難なことが多いのです。

 

潜在性二分脊椎には幾つかのタイプがありますが、代表的なタイプは脊髄脂肪腫です。

 

脊髄脂肪腫(spinal lipoma)

(以下、参照:その他の潜在性二分脊椎

緊縛終糸(tight filum terminale)
先天性皮膚洞(spinal congenital dermal sinus)
Limited dorsal myeloschisis(LDM)
脊髄嚢胞瘤(terminal myelocystocele)
髄膜瘤(spinal meningoele)
尾側脊椎退化症候群(caudal regression syndrome)
前仙骨髄膜瘤(anterior sacral meningocele)
分離脊髄奇形(split cord malformation;SCM)

 

 

脳の先天奇形:関連ページ

 

くも膜嚢胞
脊髄髄膜瘤
脳瘤
潜在性二分脊椎(脊髄脂肪腫など)
– 脊髄脂肪腫 –
– その他の潜在性二分脊椎 –
先天性水頭症
キアリ奇形
Dandy-Walker症候群
頭蓋縫合早期癒合症