脳の病気まるわかり

脳瘤

 

脳瘤とは

 

脳瘤とは,生まれつき出来てしまった頭蓋骨の穴から、頭蓋骨の中身が頭蓋骨の外に飛び出した状態です。外から見ると丸くて柔らかいたん瘤のように見えます。

 

比較的稀で、10000出生に対して1~2名程度の頻度と考えられています。

 

飛び出てきたものが髄膜(脳を覆う膜)と液体(脳脊髄液)のみであるものを、”髄膜瘤”と呼びます。

一方、飛び出てきたものの中身に脳組織が含まれる場合を、”髄膜脳瘤”と呼びます。

その他、明らかな”瘤(こぶ)”を形成しない”不全型(atrecic type)”と呼ばれるものもあります。

 

脳瘤は、正中にできやすく、圧倒的に後頭部~頭頂部に多いですが、前頭部や鼻の奥に出来ることもあります。

 

 

診断は

 

胎児期には、通常の検診で受けたエコーで発見されることがあります。エコーで脳瘤が疑われたら、母体(妊婦さん)のMRI検査を受けます。MRIは、胎児への磁力の影響に関する安全性の問題から、18週以降に行います。

 

出生後には、生まれてきた赤ちゃんの頭皮に瘤のようなものが見つかるので、病変の存在を知ることは難しくありません。ただ、瘤が何であるのかについては特に小さいものの場合、外表所見のみでは分かりづらいこともあるので、MRIが必要です。

 

 

症状は

 

まず、見た目の問題があります。最も多い後頭部のものであれば後頭部に瘤が出来ますが、前頭部のものでは額や顔面に瘤が出来ることがあります。

 

大きな髄膜脳瘤や、他に脳の形成異常を合併するケースなどでは、発達の遅れがあります。一方、脳瘤が小さく、他の脳奇形を合併していないケースでは発達が正常なことが多いです。

 

頭の深部に出来た脳瘤の場合には、鼻づまりや髄液鼻漏(鼻から脳脊髄液が漏れてくる)が初発症状になることがあります。髄液鼻漏を起こすと、髄膜炎になるかもしれません。CTやMRI検査を行って初めて診断がつきます。

 

 

治療は

 

脳瘤の壁がとても薄くて今にも破れそうな場合には、生まれて間もなく緊急手術を行います。また、とても大きな脳瘤についても頭蓋内の脳が次第にのう胞の中(つまり頭蓋外)に飛び出ていくので、早期に手術を行う方がいいとされます。

それ以外の脳瘤についても、可及的速やかに脳瘤の処置を行います。

 

手術では、機能している脳神経組織を温存しながら脳瘤を切除し、そしてその部位を硬膜(脳を覆う膜)で閉鎖し、確実に皮膚を縫い合わせて閉じます。飛び出た脳は正常の脳組織として機能していないことも多く、そのような場合は無理に戻さず切除します。

 

顔面の脳瘤の場合には、脳瘤の処理の後に整容的な処置が必要になります。

 

 

予後は

 

後頭部の脳瘤では、長期的な生存が期待できるケースが多く、知的機能も正常に近いケースが多いです。一方、頭頂部のものになると、発達が遅れるケースが増えるようです。