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水頭症

 

水頭症

 

 

 

 

 

 

水頭症とは、何らかの原因により脳室が拡大し、脳を圧迫するようになった状態を言います。

 

脳室は、脳の深部にある空洞(部屋)です。脳室には空気でなく、脳脊髄液という液体が入っています。脳脊髄液は無色透明の水のような液体です。ただ、水とは異なり、電解質や糖分、タンパク質といった血液に含まれる「血清」に近い成分が含まれています。脳脊髄液は脳室内の脈絡叢で産生され、脳室から出て脳の表面(脳槽やくも膜下腔)を循環し、脳の太い静脈の近傍にあるくも膜顆粒などで吸収されると考えられています。

 

脳室は4つあり、2つの側脳室と、第三脳室、第四脳室に分けられます。脈絡叢はそれぞれの脳室に存在しますが、脳脊髄液の流れとしては側脳室→第三脳室→第四脳室です。それぞれの脳室の間、そして第四脳室からの出口は、とても狭い通路があり、ここは様々な原因で閉塞しやすいのです。

 

水頭症は、実際には脳脊髄液の流れが悪くなり、脳室内に過剰に貯留することで生じます。その原因として、大きく2つに分けられます。脳脊髄液の脳室からの出口が塞がれて生じる閉塞性水頭症と、脳脊髄液の循環経路は保たれているが吸収が悪くなる交通性水頭症です。

 

閉塞性水頭症の原因としては、脳腫瘍による圧迫や脳室内出血、先天性の閉鎖などがあります。

 

一方、交通性水頭症の原因としては、くも膜下出血後や脳腫瘍からの分泌物質による間接的なもの、原因不明のものなどがあります。

 

水頭症に対する治療は、原則として手術のみです。手術方法には3種類あります。脳室内出血による水頭症など、急性のもので、血液が消失すれば改善する可能性のある場合には、脳室外ドレナージを行います。これは、脳室の中にカテーテル(チューブ)を挿入し、液を体外に出すものです。

 

慢性水頭症に対する手術方法は2種類あります。一つは、シャント手術と呼ばれるものです。もう一つは、内視鏡により頭蓋内で脳室と脳槽との間に交通をつけて髄液の流出路を作ることです。

 

内視鏡による手術は、正式には「脳室鏡下第三脳室底開窓術」と呼ばれます。4つの脳室のうち、第三脳室は脳槽と薄い膜を通して接していますので、内視鏡で確認しながら第三脳室の底の薄い膜に孔を空けます。このような手術を行い得るのは、第三脳室から第四脳室への出口(中脳水道)や第四脳室からの出口(マジャンディー孔、ルシュカ孔)の閉塞が原因となっている水頭症です。

 

シャント手術とは、脳室の中の過剰な脳脊髄液を、体の中の別の部位に流す経路を作る手術を言います。これにはいくつかの方法があります。まず、髄液を排出する部位として、脳室と腰椎があります。そして、脳脊髄液を流す先として、腹腔内や心房などがあります。

 

腰椎から排出する場合には、部位の問題から髄液を腹腔内に流します。腰椎を使えるケースは、交通性水頭症に限ります。閉塞性の場合には、閉塞部位の手前側で脳脊髄液の排液を行わなければならないので、不適切となります。

 

脳室から直接、脳脊髄液を排出する方法は、出血による急性水頭症の場合を除いて、いずれのタイプの水頭症に対しても効果があります。髄液の排出先は、近年では殆ど腹腔内を使用していますが、何らかの原因により腹腔内に問題があるケースでは心房に流すこともあります。

 

水頭症は、胎児から高齢者まで、すべての年代で起こりえます。年代により、頻度の高い原因は異なってきます。

 

 

 

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