脳の病気まるわかり

片頭痛(偏頭痛)

最も有名な頭痛は、「片頭痛」と呼ばれるものです。機能性頭痛の代表格の一つです。

 

セロトニンという物質が脳の太い血管(内頚動脈)に作用して、収縮のあとに異常拡張することが原因として有力視されています(血管説)。

 

片頭痛は“片”という文字通り、基本的に頭の片側のみに生じます。生じやすい側は左右の一側に偏っていることが多いですが、どちらにも生じてもおかしくありません。

 

典型的な片頭痛の患者さんの場合、まず「閃輝暗点」と呼ばれる前兆を伴います。閃輝暗点とは、突然視野にチラチラあるいはギザギザとした光が見え出して広がっていき、次いで視野の一部が見えづらくなる現象です。15分程度で消えます。そして、その後数十分して片側の激しい頭痛が起こります。このような前兆がある人は全体の1/3程度で、前兆を伴わない人も多く存在します。片頭痛が生じると、4時間から時に1日を超えるほどの長い間、頭痛が続きます。ひどい人は吐き気やおう吐を伴い、活動することもできなくなってしまいます。

 

「閃輝暗点」を伴わないタイプの患者さんも少なくありません。こういう患者さんでも、「頭痛が来そうだ」という前兆を感じることがあります。例えば、イライラ、落ち着きのなさ、眠気、体のむくみ、空腹感などがあると言われています。空腹時には頭痛が起こりやすいので、1日3回の食事を規則正しく摂取することは大切です。

 

女性に多く、青年期~壮年期でよくみられ、老年期には落ち着くことが多いようです。

 

チョコレートや赤ワインには、片頭痛を誘発する成分が含まれているので、避けたほうがいいかもしれません。アルコールや喫煙も避けたほうがいいでしょう。ストレスや、ストレスからの解放も片頭痛の原因になります。寝不足や、逆に寝過ぎも悪いとされます。平日の睡眠時間が極端に短かったり、週末にダラダラと寝るのも良くないかもしれません。女性の場合、生理と関係がある場合もあります。

 

片頭痛持ちの患者さんに、普通の痛み止め(頭痛薬)を使っても十分な効果が得られません。その代わり、セロトニン作動薬(トリプタン製剤)が有効で、頭痛が始まった直後にトリプタン製剤を内服すると頭痛が抑えられることが多いです。この製剤には点鼻薬や皮下注射薬もあり、わが国では現在5種類の製剤が販売されています。それぞれの特徴があり、有効性も個人によって変わります。なお、1錠で薬価が1,000円以上と高価な薬ですので注意が必要です。また、この薬は片頭痛以外の頭痛には使用できず、一般に効果もありません。

 

慢性的に片頭痛が起こる人には、トリプタン製剤以外のいくつかの予防薬(β遮断薬、カルシウム拮抗薬、抗てんかん薬、抗うつ薬、漢方薬など)を定期的に飲んで発作を抑えることも選択肢としてあります。効果には個人差があります。