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– くも膜下出血による頭痛 –

 

くも膜下出血による頭痛

 

くも膜下出血は、器質性頭痛の代表であり、最も恐ろしいものです。くも膜下出血が発症してしまうと、3人に1人は生命の危険に晒されます。

 

くも膜下出血には大きく分けて2つの原因があります。一つは外因による「外傷性くも膜下出血」です。こちらは頭部打撲が原因ですので、他項をご参照下さい。

 

ここで説明する、危険な頭痛の原因としてのくも膜下出血は、内因性のくも膜下出血であり、その大多数は脳動脈瘤の破裂に伴うものです。

 

くも膜下出血発症時の主な症状は、頭痛か意識障害のどちらかです。これは、出血量に左右されます。出血量が少なくて済むと頭痛を感じ、出血量が多いと意識障害に陥ります。そして、出血量があまりにも多いと生命の危機となるのです。

 

頭痛で発症した場合、患者さんは多くにおいて「突然の」、「今まで経験したことのな様な」、「バットで頭を殴られたような」など表現されます。通常、くも膜下出血の頭痛は、何時、何分、何秒に始まったのか、ピンポイントでわかるようなものです。なぜなら、その瞬間に発症したからです。そして、目を開けているのも辛いため、動くのも辛いため、もしくは軽度の意識障害のため、閉眼していることが多いものです。そして、やはり吐き気やおう吐を伴います。

 

くも膜下出血による頭痛は通常、これ程までに激しいため、話を聞けば疑うのが普通です。しかしながら、片頭痛群発頭痛でも激しい頭痛になることもあるため、検査をしない限り、判断に迷うこともないわけではありません。

 

そして、更に気を付けなければならないのが微量のくも膜下出血に伴う軽度の頭痛の場合です。実は、頭痛が軽いからといってくも膜下出血ではないとは言いきれないのです。実際、私が以前勤務していた病院においても数百例のくも膜下出血患者のうち、最初の段階で他の病院や他の診療科を受診して見逃されていた患者は6%にも及びます。

 

見逃しの多くは最初の出血が軽傷の例で、CT検査を受けなかった患者や、(理解しがたいことですが)風邪や胃腸系の疾患、心疾患などと間違われていた患者さんが多く含まれます。

 

くも膜下出血の初期症状である軽い頭痛を見逃すと大変です。2回目の出血を起こすと症状が深刻になり、取り返しのつかないことにもなり得るからなのです。軽傷くも膜下出血の患者さんを見逃さずに正しく診断し、再破裂の予防を行うことは極めて重要なことです。

 

脳動脈瘤やくも膜下出血に関する疾患の説明については、疾患各論(くも膜下出血)をご覧ください。

 

 

※ その他の脳卒中による頭痛

 

 

頭痛を起こす脳卒中の代表格は何といってもくも膜下出血ですが、他の脳卒中でも頭痛を起こすことがあります。

 

脳卒中は大きく、脳梗塞脳内血腫、くも膜下出血に分けられます。脳内血腫は頭痛よりもむしろ麻痺や意識障害を主な症状とすることが多いのですが、頭痛を伴うこともよくあります。

 

一方、脳梗塞では一般的に頭痛は起こりません。ただ、脳梗塞を起こす特殊な疾患(脳動脈解離など)では頭痛を起こします。特に、日本人に多い椎骨脳底動脈解離では、後頭部の痛みを訴えることはしばしばあります。こうした脳卒中の説明については、疾患各論をご覧ください。

 

 

 

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