脳の病気まるわかり

– ほんとうは怖い頭痛のお話し –

 

くも膜下出血という病気があります。

 

突然の頭痛で発症する、死亡率の極めて高い病気です。

 

このとても怖い「くも膜下出血」ですが、私が以前関わった病院のデータで、約500例のくも膜下出血のうち、30例(約6%)が、最初に相談した病院やクリニックで見逃されていたという結果がでています。こうした見逃しは、総合病院や救急外来でも起こり得ます。

 

くも膜下出血の大多数は「脳動脈瘤」の破裂により生じる病気で、破裂後の症状は頭痛もしくは意識障害です。発症後の症状が軽いうちに対処しなければ、再破裂により手遅れになる可能性があります。

 

 

くも膜下出血が見逃された原因は、「疑わなかった」、もしくは「検査を省いた」のどちらかです。

 

検査を省かれた理由としては、頭痛が軽かったため問題ないと考えられたケースや、脳の専門医ではないため検査機器がなく検査を行っていないケース、そして同じく専門医でないためMRIやCTを正しく診る知識や経験がなく検査をしないこともあります。

 

見逃された症例には、風邪と間違えられたケースのほか、胃腸炎などの消化器疾患、心筋梗塞や心不全などの循環器疾患と間違えられたケースがあります。

 

くも膜下出血では、嘔吐を伴います。嘔気や嘔吐を伴う場合、そちらが目立つと消化器疾患を疑われるケースもあります。また、意識が悪くなったりくも膜下出血により交感神経が刺激されたりして循環器系が乱れ、心臓の病気と間違えられることもありうるのです。

 

 

頭痛が起こったとき、「風邪による頭痛かな」、もしくは「血圧が上がった影響かな」と思われる方は少なくないでしょう。

 

風邪の際に頭痛を感じることはあるかもしれませんが、頭痛だけが風邪の唯一の症状ということはありません。風邪の場合、上気道にウイルスが入り込んで炎症を起こし、のどの痛みや鼻水、咳や痰などの症状を伴うものです。場合によっては発熱や、細菌によるひどい鼻づまり(蓄膿症)を伴うかもしれません。更に、ひどい感染症になると、脳や周辺組織にウイルスや細菌が入り込むこともあります(この場合、激しい頭痛と発熱を伴います)。ただ、こうした症状を一切伴わず、頭痛が唯一の風邪の症状であることは、一般にはないでしょう。

 

頭痛があるときに血圧を測定すると、いつもよりも高いことがあります。頭痛のため交感神経が刺激されて血圧が普段より高めに出ているかもしれませんし、ただでさえ、普段朝夕に測定している血圧よりも日中に測った方が高くても不思議ではありません。しかし通常、血圧が160~180mmHg程度あったとしても、頭痛を生じることはないとされています。

 

 

普段、頭痛を感じたことがない方が急に頭痛を感じるようになった際には一度検査を受けてみることをお勧めします。また、頭痛持ちの方の場合でも、普段の頭痛と性質や強さが明らかに異なる場合にも検査を受けてみるのがいいでしょう。

 

 

頭痛 関連記事

 

– 頭痛のメカニズム –
– 片頭痛 –
– 筋緊張性頭痛(緊張型頭痛) –
– 群発頭痛 –
– 後頭神経痛 –

– くも膜下出血による頭痛 –
– 脳腫瘍による頭痛 –
– 髄膜炎・脳膿瘍による頭痛 –
– 脳脊髄液減少症 –
– 副鼻腔炎による頭痛 –
– 緑内障と頭痛 –
– 薬物乱用頭痛 –
– ストレス(精神的な原因)と頭痛 –

– アイスクリーム頭痛 –

– ほんとうは怖い頭痛のお話し –