脳の病気まるわかり

– 頭痛でお悩みの患者さんへのアドバイス –

 

頭痛で重要なことは、① 頭痛が危険な病気の徴候ではないかどうか、② 痛みに伴う日常生活の障害をどう解決するか、の2点です。

 

① 頭痛が危険な病気の徴候ではないかどうか

 

最近急に始まった頭痛の場合、注意が必要です。発症が急であれば急であるほど重篤な障害を含んでいる可能性があります。これには、慢性頭痛をお持ちの方が今までとは異なる頭痛を感じるようになった場合も含まれると思われます。

 

急性発症の頭痛の場合、発症の仕方や疑われる病気にもよりますが、まずは専門医で頭部CTを行い、必要に応じてMRIを受けることが望ましいと考えます。

 

最も恐ろしいのはくも膜下出血を始めとする急性の脳血管障害に伴う頭痛です。この場合、一刻の猶予もなりませんので、急いで専門医で診療を受ける必要があります。くも膜下出血の場合、中高年に多く、女性に多い傾向にありますが、20歳代の方も稀に見かけます。比較的突然生じた中年男性の後頭部痛であれば、椎骨脳底動脈解離なども疑う必要があります。

 

比較的最近起こるようになった頭痛で、次第に悪化する傾向がある場合には、脳腫瘍などを区別する必要があると思います。どのタイプの脳腫瘍であっても大きさによっては頭痛を起こす可能性があります。逆に、ごく小さな脳腫瘍が頭痛を起こすことは、部位にもよりますが、稀です。下垂体腫瘍などは、小さくても出血を起こすことがあり、その場合には突然の頭痛を起こすこともあります(下垂体卒中)。その他の脳腫瘍でも、出血を来すことはありますので、その場合には頭痛を感じてもおかしくはありません。腫瘍以外では、慢性硬膜下血腫などでも特に若年(青~壮年期)発症例では頭痛を感じることが多いようです。

 

その他、稀な病気として硬膜動静脈漏、海綿状脈動炎、非外傷性の硬膜下血腫などもあります。
脳神経外科領域以外の疾患として比較的多いと思われるものに、副鼻腔炎(耳鼻咽喉科)、緑内障(眼科)などがあります。

 

慢性の頭痛で、症状を繰り返している場合には、急性頭痛のような心配は比較的少ないかと思われます。このような頭痛の殆どは筋緊張性頭痛や片頭痛などです。慢性頭痛の診断において重要な情報は、年齢、性別、痛む部位、痛みの周期性、季節性、痛みの持続時間、痛みの性質、痛みの前兆や付随する症状などです。ただし、こうした頭痛の中にも危険な頭痛が紛れ込んでいる可能性もありますので、症状に変化はなくても一度は頭部CTもしくはMRIを受けることをお勧めします。

 

 

② 痛みに伴う日常生活の障害をどう解決するか

 

頭部CTやMRIで危険な頭痛であることが否定された場合、痛みのコントロールに専念できることになります。

 

ところが、このような慢性頭痛に対して真剣に向き合ってくれる病院やクリニックは少なく、大病院の専門外来に行くと「大きな病気はない」と取り合ってもらえない一方、一般内科で漫然と頭痛薬をもらっているという状態をしばしば見受けます。

 

実際、このような「検査で異常を示さない」慢性頭痛に対する診断は決して簡単ではなく、持病として抱えて諦めていらっしゃる方も非常に多いものです。

 

治療の基本は薬物療法と生活改善になります。頭痛に対する鎮痛剤として、手足などの痛みと共通の痛み止めである消炎鎮痛剤を処方することも一つの手段ですが、筋緊張性頭痛や片頭痛などの最も頻度の高い頭痛においてはそれぞれ特殊な専門的な処方を行うことも多いですので、正しい診断を受け、それぞれに適した頭痛薬を処方してもらうことが肝要です。なお、筋緊張性頭痛や片頭痛などは、(個人差がありますが)生活習慣の見直しにより大なり小なり改善が期待できることもありますので、医師の助言に従って下さい。

 

 

 

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