脳の病気まるわかり

便秘と排尿障害

 

神経から来る便秘と排尿障害

 

便秘は消化管の機能障害です。同様に、排尿障害は膀胱の機能障害です。ところが、便秘も排尿障害も、それぞれ肛門括約筋と膀胱括約筋を支配する神経の障害で生じることがあります。

 

代表的なものとして、脊髄損傷や、脊髄腫瘍、脊椎椎間板ヘルニアなどがあります。脊髄のどの部分が障害を受けても起こり得ますが、胸のあたりだと下肢の運動・感覚の麻痺を、首のあたりだとそれに加え上肢の運動・感覚の麻痺を、ほぼ必ず伴います。排便・排尿に限定した障害が生じるのは脊髄の末端(つまり腰から下の方)の障害になります。また、原因にもよりますが、腰骨や椎間板に異常がある場合には腰痛を伴っているかもしれません。

 

※ 便秘と排尿障害の原因が脊髄にある場合、両者の脊髄中枢は近くに存在するため、両方の障害が併存していることが多いです。便秘のみ、排尿障害のみであれば、まずはそれぞれ胃腸科、泌尿器科に相談してください。

 

その他、比較的若年のころから徐々に便秘や膀胱機能障害が進む病気として、二分脊椎に伴う脊髄係留症候群というものがあります。二分脊椎は生まれつきの病気ですが、気づかずに放置していると知らぬ間に機能障害が進行し、気づいた時には高度の膀胱機能障害となり、排尿困難という事態に陥ってしまうケースを時々経験します。排尿困難な状態になった時にはしばしば神経障害は高度に進行しており、治療による改善が容易ではなくなってしまうケースもあります。

 

脳卒中で突然動けなくなった患者さんも、しばしば尿閉になります。高齢者によく受けられる病態です。この場合、時間とともに解決していくことが多いのですが、内服薬を使用すると同時に、リハビリによる離床が尿閉を改善させる糸口になります。

 

水頭症の患者さんの初期症状は認知症と歩行障害ですが、進行すると尿失禁を呈するようになるとされています。

 

神経の障害による排尿障害を神経因性膀胱と呼びます。これは大きく2種類に分けられます。一つ目は、失禁型のもので、膀胱に尿を貯めることが出来なくなります。もう一つは尿閉と呼ばれるタイプで、こうなると尿が出なくなります。但し、尿閉が進行すると膀胱がパンパンに溢れて尿が漏れ出すことがあります。これを、溢流性の尿失禁と呼びます。