脳の病気まるわかり

失行

 

失行とは

 

意識もあり、麻痺や運動障害、知的障害もないのに、意図した行動ができなくなる状態です。どのような動作をするべきなのかは理解しているのにもかかわらず、思う通りにできません。指示を受けてもその通りに動くことができません。

 

様々なタイプの失行があります。

 

 

失行の種類

 

観念運動失行

 

自分の意図した行動はできるのに、指示を受けた通りにしようとしてもそれはできなくなります。櫛を使うことはできるのに、「櫛で髪をとかすまねをして下さい。」と指示を受けても、できません。左半球の広範な障害で起こります。観念運動失行が口腔顔面領域に起こった場合、口腔顔面失行とも呼ばれます。口笛をふく、舌打ちをするといった動作ができなくなります。

 

 

観念失行

 

日常使いなれているものや道具を使う手順がわからなくなり、正しく使うことができなくなります。ペン・便箋・封筒・切手・糊を提示して手紙を出すように指示をしても、実行できません。必ず両手に現れるのが特徴です。アルツハイマー病でもこのような症状を来すことがあります。左半球もしくは両側頭頂葉後方領域に原因があると考えられています。

 

 

着衣失行

 

洋服の着方がわらなくなります。服の上下や左右を取り違えたり、表裏を間違えたりします。ボタンをかけることが出来なくなるなどの症状を呈します。右半球の頭頂葉の障害で起こります。

 

 

構成失行

 

簡単な図の模写ができなくなります。特に、立体的な図を描くことができません。また、積み木を組み合わせて形を作り上げることができません。左半球の頭頂葉の障害でおこると考えられています。

 

 

肢運動失行

 

上肢の運動がうまくできなくなる障害です。コインをつまむ動作ができなくなったり、ボタンをうまく掛けられなくなったりします。中心前回・中心後回の障害と言われています。運動の記憶の問題ともされますが、運動麻痺の状態との区別が難しく、失行には含まれないこともあります。