脳の病気まるわかり

けいれん

 

けいれんとてんかん

 

「けいれん」といえば「てんかん」をイメージされることが多いものです。しかし、けいれん=てんかんではありません。けいれん≒てんかんといえば誤りではありません。

 

てんかんの中にもけいれんしないタイプのてんかんは沢山あります。海馬硬化症に伴う内側側頭葉てんかんや、小児の欠神てんかんなどではボーっとしているだけのように見えるものです。

 

てんかんは、英語でepilepsyと呼びます。けいれんに該当する英語は、spasmやcomvulsionですが、日常でよく「けいれん」というのは「発作」を意味します。発作の英訳はseizureでして、よくてんかんの「けいれん」といえばseizureを意味していることが多いものです。

 

さて、けいれんを起こす病気の代表といえば、上述のようにてんかんになります。てんかんも様々なけいれんがあって、その代表格が全身けいれんを起こす強直間代発作や、部分発作の二次性全般化ということになります。両手足が強直して硬くなり、目を見開き、暫くしてガクガクと震えます。

 

 

初めてのけいれん発作は

 

けいれんを起こした人が、元からけいれん(てんかん)を持っている人ではないとすれば、その原因について究明することが重要です。それは、脳腫瘍脳血管障害の始まりや進行によるものかもしれません。

 

頭部打撲後や髄膜炎・脳炎、何らかの脳症などが原因になってけいれん(てんかん)を起こすこともしばしばあります。

 

 

てんかん以外が原因でけいれんを起こすものとして、
・ 糖尿病、および血糖降下薬による副作用(異常な低血糖、高血糖)
・ 電解質の異常(低ナトリウム血症、高ナトリウム血症、低カルシウム血症)
・ 代謝性の病気(副甲状腺機能低下症、亜自尊病、急性間欠性ポルフィリン症)
・ 肝疾患(肝不全による肝性脳症)
・ 腎疾患(腎不全による尿毒症)
・ 低酸素脳症
・ 血液・免疫疾患(血栓性血小板減少性紫斑病、全身性エリテマトーデス)
・ こむら返り

 

こむら返りは、筋肉の疲労や体内の水分不足、末梢血管の収縮などが原因で生じます。ストレッチ、水分接種のほか、漢方薬(芍薬甘草湯)、筋弛緩薬が有効だったりします。

 

 

けいれんを見た時に注意すること

 

けいれんの診断に重要な情報のなかに、患者さんのけいれん時の様子があります。体のどの部分がけいれんしていたのか、リズムはどんな感じだったのか、目つき、顔色、表情はどうだったか、どの程度続いたのか、そしてけいれんしているときや直後に意識はあったのかなどといった情報です。

 

こうした情報に加え、患者さんの年齢や基礎疾患といった背景、脳波検査や血液検査の結果、そしてCTやMRIといった画像診断を総合的に判断して、原因を追究することになります。

 

けいれん時の患者ご家族や周囲の人の対応としては、

 

・まず、落ち着くことです。
・次に重要なことは、患者さんの身の安全に気を付けることです。
例えば、頭を打たないようにする、椅子やベッドからの転落に気を付けるなどです。
・呼吸しやすいように服のボタンやベルトを緩めてあげましょう。
・全身の状態や発作の生じた時刻、発作の持続時間などを記録・記憶しましょう。余裕があるときは、携帯電話などでビデオを撮影して後で医師に見せるのも有効です。
・全身けいれんの場合、通常は1~2分以内に治まり10~20分で意識が回復してきますので、発作が止まれば落ち着いて対処して大丈夫です。繰り返している患者さんの場合には慌てて病院へ連れていく必要はありません。初発の場合や、状況が分からない場合には病院へ連れていくか、救急車を呼ぶなどして対応しましょう。
・発作が5分以上続くときにはてんかん重積の可能性があり、脳に不可逆的なダメージを与える可能性が高まってきますので、すぐに病院へ運ぶことが望まれます。
・以前は、てんかん患者さんの発作中に舌を噛まないようにと口の中に物を突っ込んだりしていましたが、口の中を怪我したり呼吸困難になったり、または介助者が指を噛まれて二次災害を引き起こしますので、むしろしないほうがいいです。