“ウィズ コロナ”に思う

久しぶりの投稿になります。

 

近々、当院のホームページ更新を予定していますので、投稿を控えておりました。

 

しかし、福岡県の新型コロナウイルス新規感染者数が16名と増加しており、また東京でも300名近い新規感染者数が出た状況ですので、看過できないと考え、久しぶりに持論を展開させていただきます。

 

新型コロナウイルスは第2波に突入しました。これは、多分に人間の行動の結果でもあります。ウイルスを完全に抑制できないうちに行動制限を緩和すれば、必ずウイルスは再燃します。

 

そして、ウイルスを完全に抑制できないと諦めているからこそ生まれる言葉が、”ウィズ コロナ”という言葉です。最近、流行しているこの言葉は、「ウイルスは完全に抑制できないものだから、うまく共存しよう」というキャンペーンです。

 

 

さて、ウイルスも人間や動物と同じで、その性質は変化を繰り返しています。性質には個体差もあります。ウイルスの場合、感染した生物の体内で増殖しますが、その過程で変異を繰り返しています。ウイルスの感染特性として重要なものに、感染力の強さ(人から人へ移る能力)と、毒性の強さ(重症化させる能力)が挙げられます。新型コロナウイルスの場合、感染力は非常に強いと言っていいと思います。重症化する患者さんの割合も決して低くないので、毒性も強いと考えますが、毒性については各地域で流行している株により違いがあります。毒性の強いウイルスとそこまで強くないウイルスが混在していると考えています。

 

ウイルスは、流行期には次から次へと増殖し、その間に変異を繰り返します。次々に人から人へと感染を繰り返している間は、早いサイクルで変異を繰り返します。変異には、弱毒化する場合もあれば、強毒化する場合もあります。

 

強毒化したウイルスは人を死に至らしめます。ウイルスは、生きた生物の体内のみで繁殖できるので、宿主の生命が途絶えると間もなく死滅します(もしくはむろん、人を火葬すれば、消滅します)。従って、強毒ウイルスは宿主(人)が死んでしまう前に他の個体(人間)へ移らなければ消滅してしまいます(感染)。次から次へと感染し続けなければならないのです。感染が流行している状況では、強毒ウイルスは隆盛を極めますが、感染の勢いが衰えると、行く先を失った強毒ウイルスは次第に減少し、徐々に趨勢は衰退していきます。

 

一方、弱毒ウイルスは人を殺すまでに至らずに風邪のような症状や不顕性感染(無症状の感染)を繰り返します。人が死に至ることは少なく、一般の風邪のように気づかないうちに人から人へ移ります。(新型以外も含む一般の)弱毒のコロナウイルスはいわゆる風邪の原因の一つでもあり、容易に根絶させられるものでもありませんが、生命の脅威へとはなりませんので、ウイルスと人間の共存の道を歩むことになります。

 

強毒ウイルスを減らし、弱毒ウイルスのみの世界へと変化をもたらすには、感染の連鎖を食い止めることが重要なのです。そして、いずれ我々の向かう将来は、弱毒株コロナウイルスと共存していく世界です。

 

都市閉鎖、自主隔離、移動の制限、これらの意図するところは、究極的には、新型コロナウイルスのうち、強毒ウイルスの感染を防いで弱毒ウイルスへの置換を狙う意味もあります。

 

 

その昔、SARS、MERS、新型インフルエンザウイルス、そのまた昔にはスペイン風邪など、いろいろな新型ウイルスが出現してきましたが、これらはいずれも一時的に猛威を振るったのち、落ち着きました。

 

何が起こったのでしょうか。

 

それは、ウイルスが最終的に弱毒化して、人間と共存できる状態になったのです。

 

新型コロナウイルス(COVID-19)についても例外ではないと考えます。(少し残酷な言い方にはなりますが)将来的には、人間と共存できるウイルス、ウイルスと共存できる人間だけが残るのです。

 

そのためには、強毒ウイルスの繁栄を防がなければなりません。つまり、感染の連鎖を食い止めること。引いては、人間同士の接触を制限することに他なりません。本邦でも、4月から5月にかけて一旦、新型コロナウイルスの制圧に成功しかけました。

 

 

個人的には、当時のウイルス抑制にかける時間(自粛期間)が不十分だったと思っています。まだウイルスがくすぶっている間に制限を解除したことが現在に繋がっています。火事をイメージして頂けるとわかりやすいと思います。火事は、ボヤの間に食い止めると我々でも消火器で簡単に消せる可能性があります。燃え盛り始めると消火は困難です。数軒の家に燃え広がった火事、森林火災を消火するのはとてつもなく困難で、時間がかかります。ウイルスも同じようなものです。ボヤの間に食い止めると消火(流行の終息)までの道のりは速いのです。世界には、ウイルスがほぼ流行していない地域が幾つかあります。中国は不明ですが、台湾、ベトナム、ニュージーランドなどはそのような国の例です。こうした国は徹底的なウイルス対策を行った結果、ウイルスの拡大を制御し得たのです。

 

 

”ウィズ コロナ”の言葉に戻りますが、我々に与えられた選択肢は、2つです。

 

① 経済活動の継続を優先して、ウイルス感染と共存しながらも、犠牲者が出るのは厭わない生活。

      ⇒ ”ウィズコロナ”生活の長期化 ⇒ ”ポストコロナ”までの時間がかかる。

 

② 感染が拡大しない早期に厳しい自粛生活を積極的に行い、極力短期で、(強毒株)ウイルスが”ほぼゼロ”の生活を実現する。

      ⇒ ”ウィズアウトコロナ”の実現 ⇒ 早期に”ポストコロナ”時代への移行。

 

ここでいう自粛生活は、特に県をまたぐ移動、都市圏をまたぐ移動、そして夜の活動、集団での飲食などを控えることです。健康のためのウォーキングやジョギング、最低限の買い物や通院、配慮のある職場環境での仕事までを制限することではありません。

”ほぼゼロ”というのは、まさしくその言葉の通りで、東京でも感染者が1桁以下の状態を指します。それくらいまで我慢すれば、国内のウイルス感染をコントロールできる状態、つまり”ウィズアウト コロナ”を目指せないことはないと思っています。

 

なお、①を選択した場合、ウイルス感染の拡大が極限まで大きくなってから結局、自粛を強いられることになると、事態は長期化するばかりなのです。

 

 

当院では、新型コロナウイルス抗体検査も行っておりますので、ご関心のある方は当院までお問い合わせ下さい。

 

検査料金 : 3,500円(税別)

 

※ 当院受診歴のない方は、別途初診料としてて2,000円(税別)を頂いております。

2020年07月17日